高原をぬける風がひんやり冷たくなると、紅葉シーズンに突入です。今回は、くじゅう連山の散策スポット、地元で愛される“くじゅうグルメ”そして絶好のキャンプフィールドをご紹介します。
紅葉に染まる「九州の屋根」くじゅう連山散策&温泉で麓の町めぐり
くじゅうトレッキングの玄関口・九重町には二つの大きな登山口があり、その一つである「長者原」に隣接するタデ原湿原は絶好の散策スポット。黄金に輝くススキの中を、秋の草花や三俣山をながめながら歩くことができます。
九酔渓や九重“夢”大吊橋から見られる震動の滝など、玖珠川・鳴子川流域の渓谷美も見事。キャンプをしながらゆっくり各所を回るのもおすすめです。
震動の滝
玖珠川上流の九酔渓にあり、雄滝(落差83m)、雌滝(落差93m)からなる。雄滝は水量が多く、流れ落ちる勢いで周囲が震動するかのようなイメージからその名が付けられた。「日本の滝100選」に選ばれている。
大船山林道
くじゅう連山の中でも屈指の紅葉スポット、大船山(たいせんざん)。山頂を目指す麓の林道には渓流も見られ、周辺を散策するだけでも美しい光景に出会える。水の音に耳を傾け癒しの時間を過ごそう。
タデ原湿原のススキ
面積約38ha、標高約1,000mに位置する国内最大級の湿原。多様な地質や地形を反映した生態系を作り出している。国際的にも重要な湿原として、2005年ラムサール条約登録湿地に指定された。長者原登山口に隣接。
三俣山と星空
タデ原湿原から見上げる夜空は格別の景色。空気が澄んでいる秋冬はすばらしい星空に出会えることが多い。三脚片手に訪れるフォトグラファーもおり、トレッキングせずとも気軽に山の星空写真が撮影できる。
黒岩山の紅葉
くじゅう連山は多くのハイカーで賑わうシーズン。黒岩山は比較的登山しやすく、初心者向けなのでおすすめだ。山の斜面は色とりどりに染まり、今だけの景色を見ることができる。カメラ片手に登ろう。
龍門の滝
国指定の名勝地、筑紫溶岩台地を削ってできた中間に滝壷がある二段落としの滝。全体では幅40m、落差20m。夏のシーズンは、多くの家族連れで賑わう。近くにはキャンプ場もある。
九重“夢”大吊橋
鳴子川渓谷の標高777m地点に架かる、日本一の規模を誇る人道専用吊橋。長さ390m、川床からの高さ173mで、橋の上から見る眺めは壮観。震動の滝や紅葉の名所・九酔渓を望むことができる。紅葉の見頃は11月上旬。
タデ原湿原をおきがる散歩
ほどよい散策ルート
湿原や森を歩く2.4kmの木道の自然探索コースがあり、子どもから年配の方まで無理せず歩くことができる。風を感じながらの散策は癒されるはず。
瑞々しい水場も
雨水や周囲からの湧水によって潤される大地。湿地は水鳥や動植物など様々な生物を育んでおり、酸性のタデ原にはアブラメなど珍しい魚が見られる。
山野草の宝庫
希少な在来種が多く生育し、高原に咲くかわいらしい山野草が見られる。訪れた季節ならではの植物を愛で楽しもう。花や動植物の採取はNG
かがやく早朝
グッと冷え込む早朝は澄んだ空気の中歩くことができるおすすめの時間帯だ。この時間しか見ることのできない幻想的な風景に出会えるはず。
九重には12の温泉郷があるので、合わせてぜひ立ち寄って。くじゅう連山が眺められる温泉や情緒たっぷりのにごり湯、地元民に愛される町湯など個性ゆたかな立ち寄り湯が点在し、冷えた体を温めてくれます。ススキの季節が過ぎると、真っ白な雪景色に様変わり。くじゅうの四季は、ちょっぴり早めにやってきます。
くじゅう高原の植生を知りたいなら
長者原ビジターセンター
阿蘇くじゅう国立公園くじゅう地域を紹介する博物展示施設。館内では旬の自然の展示の他、巨大衛星写真やハイビジョンシアターでくじゅうの四季の映像を見ることができる。
営/9:00~17:00(11〜4月は~16:00)
休/年末年始
P/約450台
地元で愛されるくじゅうグルメ
つるっとのど越し爽快な オリジナル“やく麺”
くじゅう高原に咲く野草がテーマの施設。食事処「はなしのぶ」では、地元の食材を中心に山で採取した山菜の天ぷらやとり天などがいただける。中でも、薬草を練り込んだオリジナル“やく麺”はオーダーの半分を占めるほど人気の看板メニューだとか。自然の野山や草原の状態が保存してある野草園の見学は無料。四季折々の自然と触れ合える散策を楽しんで。
薬草オオバコとドクダミを練り込んだ“やく麺”。クセがなくつるっとした喉越しにファンも多い
大分名物・とり天定食1,100円。ふっくら揚げたてジューシーで旨味もたっぷり
秋の七草の一つ、カワラナデシコ。野草園では季節の花々と出会える
店内ではお土産なども販売。山野草や花木、水辺の花、茶花の苗の販売もあり
牧場直営のぜいたく焼肉丼 甘辛のタレが相性バツグン
「安全・おいしい・新鮮な食材を多くの人に食べてもらいたい」という思いからスタートした、牧場直営の農家レストラン。丹精込めて育てられた豊後牛や野菜などはすべて自家製で、柔らかい和牛を使った焼肉丼や、サクサク食感のコロッケなどが人気だ。店内から眺めるくじゅう連山は絶景で、ゆっくり食事を楽しめる。お土産スペースもあり。
“おおいた和牛焼肉丼”1,730円。タレで煮込んだキャベツと玉ねぎの上に焼肉が贅沢にトッピング
自家製ブルーベリーをふんだんに使ったソフトクリーム。濃厚ミルクソフトもあり
ベベんことは大分の方言で「子牛」のこと。うどんやカレーもあり、老若男女で立ち寄れる
ソフトクリームやコロッケなどのテイクアウトもあり、ドライブ途中に立ち寄る人も多い
厚揚げ、豆腐、団子 自慢の豆腐料理を田楽で
くじゅう高原に佇む、創業24年の豆腐料理専門店。メニューはシンプルで、“鉄釜豆腐御膳”とお酒のみ。豆腐には昔ながらの鉄釜と塩田にがりを使用し、そのやさしい味わいにファンも多い。御膳には、熱々の炭火で豆腐を焼いて食べる田楽が登場。他、さくら草自慢の豆腐料理がびっしり並び、その歯触りを一つひとつ比べながら食べるのが楽しい。
御膳に付く田楽。厚揚げ、豆腐、餅米の団子の3種を、胡麻味噌か柚味噌でいただく
“鉄釜豆腐御膳”1,600円。ごはん、味噌汁、田楽、ざる豆腐、豆乳ゼリーなど品数豊富
木の温もりあふれる店内。窓からはくじゅう連山が一望できる
雄大な飯田高原の中にポツリと佇む。持ち帰りや単品メニューのオーダーも可能だ
九重に広がる絶好のキャンプフィールド
九重グリーンパーク 泉水キャンプ村
泉水山麓にあるキャンプ場。ロッジやバンガローが数多く整備され、キャンプ用品の貸し出しや売店なども完備している。温泉もあり、満天の星を見上げながらの露天風呂は最高。
九重グリーンパーク 泉水キャンプ村
営/通年
休/なし
料/〈ロッジ〉9,300円〜/1棟〈ミニバンガロー〉3,000円/1棟〈オートキャンプ〉2,100円/1張、タープ300円/1張
P/あり
くじゅうやまなみキャンプ村
オートサイトはミニキッチンと電源付き。フリーサイトでは広々とした芝生でキャンプが楽しめる。また設備の揃ったケビンがあり、登山や観光の拠点としても最適。
くじゅうやまなみキャンプ村
営/通年
休/なし
料/〈入場料〉大人500円、小学生330円〈ケビン〉16,500円〜/1棟〈オートサイト〉4,400円〜/1区画〈フリーサイト〉3,850円/1張※日帰り料金あり
P/あり
【問い合わせ】九重町役場 商工観光・自然環境課
所/大分県玖珠郡九重町大字後野上8-1 TEL/0973-76-3150