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2025.05.02

「つなぐバス」でめぐる、くじゅう連山4ルート。

くじゅうの山旅をもっと自由に、心地よく。
「つなぐバス」を使えば、縦走も周回も、思いのまま。
バスを利用することは、繁忙期の路上駐車や混雑を避ける環境にやさしい選択にもなる。
春風に吹かれながら、くじゅうの山々を歩いてみよう。
今回は「つなぐバス」を活用した、おすすめの4ルートを紹介します。


 

「くじゅうの登山口をつなぐバス」とは

くじゅう連山のおもな登山口を結ぶ、季節限定の周遊バス。運行されるのは、登山者が多く訪れる初夏のミヤマキリシマ開花シーズンと、紅葉が見頃となる秋の週末や祝日。
広々とした長者原駐車場や瀬の本駐車場に車を停め、バスに乗り換えて別の登山口ヘアクセスすることができる。

ミヤマキリシマシーズンと紅葉シーズンに運行。「つなぐバス」を利用して、今まで訪れたことのない登山口から登ってみよう

 

②③牧ノ戸峠と長者原は利用者が多いため、繁忙期はとくに土壌の浸食やぬかるみ等が発生することも。環境負荷が懸念されている。⑤初夏や紅葉シーズンは、登山口の駐車場が満車になり、路駐問題が深刻化。車両通行の妨げになり、交通事故の危険性も高まる

 

 

バスは牧ノ戸峠や赤川、南登山口などを結んでおり、好きな場所から登山することが可能。

 

このバスの運行は、混雑期の駐車場不足や路上駐車問題の緩和、人気が集中する登山コースの環境負荷の軽減などにつながっている。縦走登山がしやすく、自然にもやさしい「つなぐバス」。春や秋には、バスを使って縦走ルートを歩いてみよう。

 

 

ROUTE1_赤川登山口-瀬の本登山口コース

登山の醍醐味といえば、やっぱり ピークハント。
赤川登山口から始 まるこのルートは、くじゅうの名 峰を次々と踏破することができ、達成感たっぷりだ。
まずはスタート地点の赤川登山口まで、「つなぐバス」で向かおう。久住山 を目指して、しばらく展望の少 ない登りが続く。

やがて森林限 界を過ぎ、うしろを振り返ると、 阿蘇の山並みが目の前に広がり、気分も上がってくる。岩がごろごろと転がる尾根に出れば、 いよいよ久住山の頂へ。

目の前に は中岳、天狗ヶ城、三俣山⋯⋯ くじゅうの山々がぐるっと見渡 せる。中岳は九州本土の最高峰。
山頂では、360度のパノラマを 心ゆくまで堪能しよう。

御池に 下りると、青く澄んだ火口湖で ある御池が目の前に広がる。久 住分れに向かえば、前半のピー クラッシュがひと段落! ここで ひと息つこう。

➀赤川登山口まで「つなぐバス」で移動。②主峰・久住山を目指してスタートしよう。③サビ色に染まる鳴子川。④一気に久住山まで登る直登コース。⑤木道の登り下りが続き、なかなかハード。⑥森林限界を抜けると、視界が開けてくる。⑦岩に座って一休み。久住山までもうひと息。⑧山頂へ到着! この日は強い風が吹いていた。⑨天狗ヶ城・中岳へ向かって久住山を下る。⑩岩に書かれた目印に従って進んでいこう。⑪中岳山頂。天狗ヶ城が隣接し、縦走が楽しい。⑫御池は、火口跡にたまった神秘的な水たまり。⑬冷たくて気持ちいい

のびやかな稜線と隠れた名峰を歩く

久住分れから先は、ピークハント の緊張から解放され、ぐっと歩 きやすい道が続く。西千里ヶ浜 と呼ばれるなだらかな登山道 を、心地よい風に吹かれながら 歩こう。やがて扇ヶ鼻分岐に到着。そこからは、丸みを帯びた穏 やかなピーク、扇ヶ鼻を目指す。初夏にはミヤマキリシマが咲き誇る、花の名所だ。山頂からは久住山や中岳を見渡せ、さっきまで立っていたあの頂を、今は遠くに望むことができる。

ふかく深 呼吸して休憩したら、最後に向 かうのは、「隠れた名峰」である岩井川岳。登山者の少ない静かな道をたどれば、聞こえてくるのは自然の音だけ。「くじゅうには、こんなにも静かで美しい場所があったんだ」。くじゅうの奥深さをしみじみと感じながら、森林の中を瀬の本登山口へとゆる やかに下ってゴール。バス専用駐 車場へ歩いて戻ろう。

⑭久住分かれの避難小屋でランチ休憩。⑮環境に配慮したバイオトイレも設置される。⑯ザレた岩場をこえて扇ヶ鼻へ向かおう。⑰なだらかで歩きやすい西千里ヶ浜。⑱今までとは打って変わって平坦な道が続く。⑲扇ヶ鼻分岐に到着。⑳なだらかな山、扇ヶ鼻へ向かって歩く。㉑初夏は一面ピンクに染まる「花の名所」。㉒山頂は見晴らし抜群! ひと休みしよう。㉓豊かな植生が広がるくじゅうの「森」。㉕黄金の草原を、岩井川岳に向かって進む。㉖岩井川岳の山頂標識は手に持つタイプ!。㉗樹林帯を歩き、瀬の本登山口に到着。㉘つなぐバス専用駐車場まで歩いて20分

 

ROUTE2_長者原を周回一泊二日コース

くじゅうの名峰と温泉を満喫す る、ぜいたくな山旅へ。
ミヤマキ リシマが咲き誇る季節は登山者で賑わうため、つなぐバス専用の臨時駐車場(長者原)に車を停めて出発しよう。林道からガ レ場抜けて諏蛾守越へ。ザレた 急登を登りきると、三俣山の山頂に到着。一気に視界が開け、高揚感がこみ上げる。荒々しい北千里ヶ浜を進み、本日の宿・法 華院温泉山荘へ。温泉に浸かって、ゆっくりと疲れを癒したい。

翌朝は、静かな坊ガツルを歩いて段原へ。まずは大船山に登頂 し、朝日に染まるくじゅうの 山々を一望しよう。続いて北大 船山を経て、平治岳へ。山肌をピンクに埋め尽くすミヤマキリシマの季節なら、歩くたびに心が弾む。ラストは大戸越から坊 ガツル、雨ヶ池越を通って長者 原の専用駐車場へ戻ろう。

➀長者原の臨時駐車場に停めて登山開始。②諏蛾守越へ向かう途中、数頭の鹿に遭遇。③標識を目印に、諏蛾守越へ向かって歩く。④諏蛾守越の鐘。ベンチでひと休みしよう。⑤三俣山には、本峰・西峰・南峰・北峰・Ⅳ峰がある。⑥本日の宿・法華院温泉山荘に到着!⑦いもあずき2種類。⑧2日目がスタート。⑨坊ガツルを抜け、段原に向けて登ろう。⑩⑪ミヤマキリシマの季節は一面ピンク色に。⑫北大船山から平治岳の縦走ルートにて。

 

ROUTE3_牧ノ戸峠ー瀬の本コース

瀬の本の専用駐車場に車を停 め、「つなぐバス」で牧ノ戸峠へ。 登山道に足を踏み入れると、すぐに沓掛山が現れる。星生山で 岩稜歩きを楽しみ、久住分れに 降りたら、ここでひと息つこう。

主峰・久住山の山頂では、阿蘇 山や祖母山、由布岳⋯⋯九州の名峰がぐるりと顔をそろえ る。折り返しは、西千里ヶ浜を 経由して扇ヶ鼻へ向かおう。 登ってきた山々を見渡しなが ら、静かな岩井川岳へ。登山者 も少ない落ち着いたルートで、 くじゅうの変化を味わいたい。

➀つなぐバスで牧ノ戸峠へ。②沓掛山山頂にて。③ミヤマキリシマが咲く星生山。④主峰・久住山山頂。⑤久住分かれでひと休みしよう。⑥草原地帯を歩き、岩井川岳へ。⑦岩井川岳の標識

 

ROUTE4_南登山口ー牧ノ戸峠コース

長者原からバスで南登山口へ 移動し、森を抜けて猪鹿狼寺 本堂跡へ。そこから最初のピーク、稲星山を目指す。稲星 山山頂からは、これから向か う中岳や天狗ヶ城が一望でき、期待が高まる。

中岳は九州本土最高峰で、登頂の達成 感はひとしお。天狗ヶ城から は、エメラルドグリーンの御池 が眼下に広がり、心を癒して くれる。久住分れでひと息つい た後は、西千里ヶ浜のなだら かな山道を歩き、沓掛山を越 えて牧ノ戸峠登山口へ。バスで 長者原へ戻ろう。

➀南登山口からスタート。②猪鹿狼寺本堂跡。久住山や中岳と隣接する稲星山。④稜線から御池を見下ろす。⑤天狗ヶ城山頂にて。⑥牧ノ戸峠唐山口に到着

 

「つなぐバス」を使って縦走登山に出かけよう

「つなぐバス」を使えば、いままで行けなかった縦走ルートも気軽に楽しめます。
バスは、ミヤマキリシマと紅葉の時期に運行しているのでぜひ使ってみてくださいね。