歴史ある町並みとゆたかな自然が共存する町・山鹿。今回は仲良し二人がキャンプ場のケビンに宿泊。翌日はまちを巡り、「自然に触れたい」「いろんな場所を巡りたい」という両方を叶えた「心が向くままの旅」のエッセイをお届けします。
初日はケビンステイで自然を満喫
気になったお店やカフェに行っては、他愛もない話をする。彼女は社会人になってできた友達で、知り合ったきっかけは登山だった。彼女とは趣味も合う。「いいな」と思う過ごし方も似ている。「次の休みはキャンプに行こうか」、今回の旅はそんな話から始まった。
やってきたのは『奥矢谷渓谷マザーネイチャーきらり』。ここは渓谷沿いの気持ちいい場所にある。
せっかく山鹿に来たので、「温泉も行きたい!」「いちご狩りもいいね」なんて、旅のアイデアは尽きることがない。
「キャンプだと準備や片付けが大変そうだから」と、今回はケビンを予約。
中は木の温もりに包まれた、なんとも居心地が良い雰囲気だった。
荷物をほどき、散策へ。
木々が立ち並んだ場内にはさわやかな風が抜け、気持ちいい。近くに大きなローラースライダーがあり、子ども達の笑い声が聞こえてきた。
夏は渓谷の水を使ったウォータースライダーもあるらしい。天然の水の冷たさはさぞかし爽快だろう。
しかし、外遊びだけがキャンプではない!
小腹が空いてきたのでケビンに戻り、「好きな時間に好きなものを食べる」という自由を謳歌する事に。
ご飯を炊き、あらかじめ切ってきた材料を鍋に入れたらすぐにカレーが出来上がった。隠し味は、持参したスパイス類。「ハ〜辛いっ!」なんていいながら食べ終わっても、まだまだ外は明るく時間はたっぷり。
お酒をお供に、普段話せないことまであっちこっちに話が飛びまくる。薄暗くなってきたら、道中で買ったバゲットにチーズをのせ、冷やしておいたワインを取り出し「これが大人のキャンプだよね〜」なんてほろ酔い気分に……。
この日のために買ってきたランタンはテーブルの主役となり、夜じゅう、私たちのおしゃべりを聞いてくれていた。
ケビンでコーヒータイム。鍋やキッチン用品のレンタルもできる
奥矢谷渓谷マザーネイチャー きらり 自然豊かな渓谷に佇むキャンプ場。天然水のプールやウォータースライダー、ローラースライダーもあり、子どもたちに人気。夏は浮き輪もあると重宝します。ケビンやオートキャンプサイト、固定テントがあり、日帰り利用もOK。春や夏には新緑、秋には紅葉と四季折々の自然を満喫できる 。 営業/通年(予約は9:00~16:00)
休み/11月~2月の月、水、金曜
翌日はいちご狩りに山鹿散策!
次の日はゆっくり起床。いろいろ行きたいスポットはあったけど、二人の間に「いちご狩りとワイナリーは外せないよね」という空気があった。まずは大好きないちごの食べ比べ。
様々な種類のいちごを食べ比べ!どれも甘くて美味しい
山鹿観光いちご園
有機栽培、減農薬栽培、高設栽培のいちごが楽しめるいちご園。食べ放題は60分、様々な種類を一度に食べることができるので、自分好みのいちごを探すのも楽しみの1つ。持ち帰りも可能。休憩室もあるので、ゆっくり過ごすことができます。
食べ放題(60分)大人1,600円、小人(4歳以上)1,200円
営業時間/1〜5月中旬(10:00〜17:00)
休み/月曜
その後は「山鹿の食」をコンセプトにした菊鹿ワイナリーのレストラン『ファーム』でのランチ。どちらも美味しいからとテンションが上がり、つい食べ過ぎてしまった。ん〜、お腹いっぱい(そりゃそうだ)。
菊鹿ワイナリー RestaurantFarm
丹精込めて作られたワインを食事と楽しめるレストラン。ファームの名の通り、新鮮な地元野菜を使用したサラダビュッフェとメインのお肉を選ぶハーフ・ビュッフェスタイル。有料の試飲カウンターを設けたワインショップと併設しています。
営業時間/ランチ11:00〜15:00(L.O.14:00)
カフェタイム14:00〜17:00(L.O.16:00)
休み/第1、3火曜
カロリー消費を兼ねて、豊前街道をブラブラ散歩する事に。ここは山鹿の中心地にあり、お洒落なカフェや歴史を感じるような見所がたくさん。「今度はここを中心に遊びに来ようね」という話をしながら、最後の締めである温泉へ向かった。
山鹿温泉はph値が高く、美人の湯としても知られていて私は密かなファンである。ゆっくりしたかったので、家族湯のある『露天湯 椛』へ。トロトロの湯に肩まで浸かり、「はぁ〜〜っ」とため息。「気持ちいいね」と、二人の顔が緩んでいく。
露天湯 椛(もみじ)
すべり台付きや洞窟風呂、ハート型の湯船など、10室の湯船はすべて異なり、遊び心が詰まった家族湯。すべての露天風呂でpH値の高いまろやかな源泉掛け流しのお湯が楽しめます。お湯は毎回入れ替え制。気になる湯船は電話予約がおすすめ。
営業時間/平日11:00〜23:00(受付は〜22:00)、土日曜、祝日10:00〜23:00(受付は〜22:00)
休み/木曜
山鹿でパワーチャージ
ケビンに泊まって自然を満喫し、いちご狩りとワイナリーでお腹も満たされ、最後は山鹿温泉の美人の湯でしっとりすべすべの肌に!
普段の仕事もプライベートも頑張る二人にとって、山鹿の旅は何よりもご褒美となったはず。足取り軽く、それぞれの日常へと戻っていった。
豊前街道って?
肥後・熊本(熊本市)を起点として北上し、植木・山鹿から南関を経て豊前・小倉(北九州市)に至る道を熊本では「豊前街道」と呼んでいます。昔から湯のまちであった山鹿は宿場町、文化の中心として栄え、当時の面影をそのままに、情緒たっぷりの町並みを残しています。昔の商家を利用した飲食店や土産物屋が並び、―帯をゆっくりと散策できます。