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2024.06.05

【インタビュー】YouTubeチャンネル『かほの登山日記』かほさん

輝いているあの人にフォーカスし、現在に至るまでのルーツをたどるインタビューコーナー“ROUTe PEOPLE”。最新号のROUTevol.8では、YouTubeチャンネル「かほの登山日記」で山の魅力を発信しているかほさんにお話をお聞きしました。


「かほの登山日記」かほさん

〈プロフィール〉

岐阜県出身。テレビ番組の制作会社、広告代理店、IT企業を経て2019年10月にYouTubeチャンネル「かほの登山日記」を開設。海外登山やバリエーションルートに挑戦するなど、活動の幅を広げている。

 

仕事がきっかけで山登りが趣味に

はじめての登山は、極寒の雪山だったというかほさん。大学を卒業してテレビ番組の制作会社でADとして働いていた頃、とある企画で冬の八ヶ岳に登った。

「山に登ったことがない私が、アイゼンをつけて雪山に登り、朝日を撮ってくるという内容で。撮影しながらだったので大変でした」。初心者がいきなり雪山とは過酷な体験だったろうと思うが、それがきっかけで山にはまったのだそう。

その数年後、2019年にYouTubeチャンネルを開設。かほさんは、専業ユーチューバーとして活動をはじめた。

「ところが活動を始めてすぐの2020年、コロナが大流行して。山に登れないから山のギアを紹介する動画などを撮っていたんです。登山の動画の方がやっぱり反響がいいので、最初はなかなか再生数が伸びずに苦戦しました」。

 

YouTuberとして活動し世界の山へ挑戦

コロナが少しずつ収まり、かほさんは海外の山にチャレンジするようになった。最初はオーストラリア大陸の最高峰、コジオスコへ。最高峰と言っても7大陸最高峰の中では群を抜いて低く、標高は2228m。尾瀬ヶ原の至仏山と同じくらいの標高だ。

その後難易度を上げ、富士山よりも高いモンブランやキリマンジャロ、アコンカグアなどに挑戦。2023年9月には、8000m級のマナスルに登頂している。

「海外登山は、想定外のことがたくさん起きるんですけど、それを『大変だ』と思うんではなく『面白いな』と楽しみながら回避しているんです。そうすると、道中も楽しくなるというか。大変だったことの方が思い出になったりしますね」。

ヨーロッパアルプスの絶景を眺めながらトレッキング

 

カルデラに野焼き… 九州の風景に感動

国内外さまざまな山を登っているかほさんだが、九州にも定期的に訪れ、くじゅうや大崩山、祖母山、由布岳などに登っている。その中で印象に残っているのが野焼きの文化だという。

「由布岳は野焼きの後に行ったら真っ黒だったんです。くじゅうは、野焼きからしばらく経った頃に行ったので、緑が芽吹いて美しくて。野焼きと共にある風景は九州らしいですよね」。

最近気になっている山は阿蘇山。以前、阿蘇山の中岳の途中まで行ったことがあり、そこから見える景色に驚いた。

「カルデラを目の前にして、地球にこんなところがあったのかと感動しました。阿蘇山はいくつかピークがあるので、いつか登ってみたいです」。

シェルパ50周年記念イベントで登った上天草の白嶽

 

登山は自分なりの楽しみ方を見つけて

登山初心者に対してアドバイスは?と尋ねると、「手軽なところから始めてみるといいと思います」という答えが返ってきた。

「山は怖い、不安で始められない、という人もいると思います。そんな方は、ロープウェーで登れる山や、自分が持っているスニーカーで行けるハイキングコースなんかがおすすめです」。

また、登山は自分の好きな方法で楽しむことができると続ける。「自然を楽しみながら歩いたり、好きなご飯を作って食べたり、友達とワイワイ登ったり。登山と一言で言っても、山頂を目指すピークハントだけではく、自分なりの楽しみ方があると思います」。

かほさんの山の楽しみ方の一つは、下山後に麓の町を観光すること。その町を知ることができるのはもちろん、町の人が、山のことをどう思っているのか知るのが好きなのだという。これからも山を好きな方法で楽しみ、それを動画で伝え続けてくれるに違いない。

イベント同日に上天草ドルメンの上で

 

かほの登山日記

かほさんが登山の魅力を伝えているYouTubeチャンネルは5年目に突入。国内・海外登山はもちろん、観光情報なども見逃せません。ぜひチェックを!

2023年4月に発行された、かほさん初の著書。装備・知識・山選びなど、初めての登山に心強い一冊です。『山登りを趣味にする ソロ登山ステップアップガイド』株式会社マイナビ出版/1,738円