輝いているあの人にフォーカスし、現在に至るまでのルーツをたどる連載”ROUTe PEOPLE” 。第10回は、アウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんが登場 。女性の山の楽しみ方を発信し続けてきたこれまでの歩みと、これからの想いを語っていただきました 。
山との出会い
── 山頂ではなく、景色に惹かれて
四角さんが山と出会ったのは2003年、きっかけは上高地を訪れたことでした 。「最初から山頂に行こうと思ったわけじゃなくて、川の美しさに魅了されて、その先に行ってみたいと思ったことが始まりなんです」と当時を振り返ります 。
その後、ニュージーランドを訪れた四角さんは、山頂を目指すことだけが目的ではない、現地の豊かなトレッキング文化に触れます 。自然の中に身を置き、その土地の空気を味わいながら歩く──この経験が、後の活動に大きな影響を与えることになります 。
・自然の中にいる幸せ
「私は元々体力があるわけではなかったし、スポーツとして山に行くより、自然の中にいることが幸せだったんです」
最初のはじまりは上高地
これまでの歩みと葛藤
── 女性が山を楽しむ選択肢を広げたい
当時の登山界はまだ山頂を目指すことが中心の時代 。難しい山を制覇することが美徳とされ、同世代の女性ハイカーは非常に少ない状態でした 。メディアに登場するのも山岳ガイドなど、本格的な登山をする人がほとんど 。「私のように『ただ自然を楽しみたい』という人が最初の一歩を踏み出せるような情報が、本当に少なかった」といいます 。
当時の市販ウェアは男性向けのものが多く、女性は男性用のSサイズを我慢して着るのが当たり前でした 。
その後、四角さんが提案した「山スカート」をはじめ、景色を愛でたり、山小屋でゆっくり過ごしたりする自然体のスタイルは、多くの女性の共感を集めていきます 。
・自然との向き合い方は人それぞれ
「山頂ではなく、他の何かを目的にしてもいい。コーヒーを飲みながら本を読めるだけでもいい。そんな自然との向き合い方を大切にしてきました」
「もっと多くの女性に自然の楽しさを届けたい」。そんな想いで登山やアウトドアの魅力を発信する活動をスタート
ものづくりの原動力
2008年頃からアウトドアブランドとの共同開発に携わるようになり、中でも「マーモット(Marmot)」との取り組みは長年に及びました 。
ものづくりを続ける中で、ユーザーから届く声が四角さんの大きな原動力になっています 。印象的だったのは、山街兼用のウェアをきっかけに、お花を見に山へ出かけた人のエピソードや、中には上高地で結婚式を挙げた人までいたことです 。
・ウェアが持つ可能性
「ウェアって、『これを着てあそこへ行きたい』と願わせてくれる力があるんだ。単なる服ではなく、新しい景色に出会うきっかけであり、一歩を踏み出すお守りにもなる」 山で感じてきた小さな不便や悩みを解消しながら、自然の中でも自分らしくいられる工夫を詰め込んでいます 。
現在は一児の母に。ニュージーランドのMt.Cookの麓にて
新たな挑戦
── 自社ブランド「MOUNTAIN DAISY PRODUCTS」の由来
2023年、長年続いたブランドコラボレーションの経験を糧に、自身のブランド「MOUNTAIN DAISY PRODUCTS(マウンテンデイジープロダクツ)」を立ち上げました 。
・ブランド名の由来:
ニュージーランドの高山植物「マウンテンデイジー」から命名 。可憐な美しさと過酷な環境を生き抜く生命力を兼ね備えた花に、山を楽しむ女性たちの姿や想いを重ね合わせました 。
人気商品の「アドベンチャードレス(ワンピーススタイル)」には、バックパックのベルトに干渉しない工夫など、四角さんならではの視点が活きています 。山頂を目指してもいいし、ただ景色を楽しみに行ってもいい 。それぞれの「自然と向き合いたい想い」に寄り添うスピリットが、このブランドにも息づいています 。
プロフィール & インフォメーション
【四角友里(よすみ ゆり)さん プロフィール】
2003年に山と出会う 。2006年から山メディアへの執筆・発信を開始 。女性の山スタイルを牽引し、2023年に自社ブランドを設立 。現在は「執筆」「表現」「ものづくり」の三本柱で活動中 。
2026年6月、くじゅう連山にて。時折に九州の山へ足を運び続けている
【NEWS】自然と仲良くなる服
ブランド名: MOUNTAIN DAISY PRODUCTS
Instagram:https://www.instagram.com/mountain_daisy_products/
コンセプト: 「自然と仲良くなる服」をコンセプトに、人気のワンピドレスをはじめ、様々なアウトドアアイテムを展開・イベントを開催中 。

photo:加戸昭太郎、根本絵梨子、平野篤

最初のはじまりは上高地
「もっと多くの女性に自然の楽しさを届けたい」。そんな想いで登山やアウトドアの魅力を発信する活動をスタート
現在は一児の母に。ニュージーランドのMt.Cookの麓にて
2026年6月、くじゅう連山にて。時折に九州の山へ足を運び続けている